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アストラゼネカ社、J&J社の新型コロナワクチンの血栓症の副作用が疑われることについて日本はどう捉えるべきか(2021.04.10更新)

 イギリスの製薬会社であるアストラゼネカ社の新型コロナワクチンAZD1222について、血栓症の副作用が無視できないという報告がイギリスよりありました。約2000万人に対するワクチン接種のうち、79名で血栓症を発症し、さらにそのうち19名が死亡したとするものです。これは、100万人に約1人が死亡したという頻度になります。ちなみに、2008-2012年の日本の消化器内視鏡関連の偶発症に関する第6回全国調査報告によると、観察目的の経口上部消化管内視鏡(いわゆる検査目的の胃カメラ)の死亡率は100万人あたり10人でした。専門的な検査である胃カメラとの比較ですので解釈は難しいところですが、一つの参考にしていただけたらと思います。接種の副作用よりも利益が上回るとしてアストラゼネカ社製ワクチン接種を続けていたイギリス政府ですが、30歳未満はアストラゼネカ社製以外の新型コロナウイルスワクチンを接種するという方針となったようです。

 

 ここからは私見になります。新型コロナウイルス感染症の拡大が日本より深刻であったイギリスでは、この死亡リスクがあっても接種の利益が副作用を上回るという判断を当初はしていたのでしょう。イギリス政府からしてみれば、国産のワクチンであることも多少は影響していたかもしれません。今回のイギリス政府の方針転換は、1.30歳未満は新型コロナウイルス感染による死亡リスクは低いと考えられるため、死亡リスクがわずかでもあるアストラゼネカ社製ワクチンは避ける、2.3分の1が1回目の接種を終了し、2021年1月初めと比較し4月初めの新規感染者数は10分の1以下に減少したため、リスク/ベネフィットを考えた接種計画に変更する余裕が生まれてきた、ということが理由であると考えられます。

 

 一方、報道によりますと、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンでも血栓症の報告が4例あり、うち1例は死亡していたとの報告がヨーロッパ医薬品庁よりありました。EU当局は調査に乗り出すとしていますが、因果関係の可能性があるのか、頻度はどうなのかなどが検討されるのでしょう。一般には因果関係を明確に示すのは難しいところではありますが、重篤な副反応の頻度が明らかに高ければ因果関係も想定しうるとして判断することになるかもしれません。

 

 現在、日本ではアメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社が共同開発したmRNAワクチン「コミナティ」の接種が医療従事者を対象に行われています。アメリカのモデルナ社やイギリスのアストラゼネカ社のワクチンの承認はこれからというところですので、血栓症の頻度がどの程度あるのか、報告数が一定以上あればどういう年齢層・背景の方に起きやすいのか(女性の方が多いのか、妊娠中やピル内服中であるとリスクが上がるのか、など)、さらにこうした情報を受けて厚生労働省はどう判断するのかを注意してみくのがよいでしょう。

 

 現在、新型コロナウイルスワクチン接種を当院でも安全にお受けいただけるよう準備を行っております。詳細がわかりましたら、ホームページや院内掲示等でご案内をしてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 

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