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J&J社製新型コロナワクチンの血栓症の可能性について(2021.04.14更新)

 アメリカの疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)と食品医薬品局 (Food and Drug Administration, FDA) は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson, J&J)社製の新型コロナウイルスワクチン接種後に6例の血栓症の報告があったことを明らかにしました。このため、J&J社製の新型コロナウイルスワクチンの使用を中断し、血栓症の危険性が重大かどうかの検討に入るという声明を発表しました。J&J社製の新型コロナウイルスワクチンに関して、接種状況などを含めた報告は次の通りです。

 

 【血栓症を発症した報告】
 1)頻度 680万例中 6例(約100万人に1人)
 2)年齢 18~48歳
 3)性別 6例とも女性
 4)発症時期 接種後 6~13日
 5)病態 血小板減少を伴う脳静脈血栓症

 

 約100万人に1人という頻度・割合はきわめて少ないことをCDC・FDAは述べています。ただし、上記の状況を受けて、J&J社製の新型コロナウイルスワクチン接種後3週間以内に、ひどい頭痛、腹痛、足の痛み、息切れが見られた場合には、医療機関に相談するようアメリカでは勧告が出されました。

 


 脳静脈血栓症・脳静脈洞血栓症は脳血管障害と言われる病気の中でも稀な病気です。逆に言うと、通常では頻繁に見られる病気ではないので、何かしらの影響で起こったのではないかと考えることになります。すなわち、ワクチン接種後に起こったのであれば、ワクチンの副作用との関連性も否定できないということになるわけです。血栓症というとヘパリンなどの抗凝固薬で血栓を溶かす治療を検討したくなるのですが、脳静脈血栓症・脳静脈洞血栓症では脳出血を伴うことも少なくありません。血栓症と出血が同時に起こると治療に難渋することがよく見られます。なお、アストラゼネカ社製のワクチンでも脳静脈洞血栓症が見られたため、EU当局は調査を開始したと先日報道されました。

 J&J社製の新型コロナウイルスワクチンは、1回の接種のみで済む、冷蔵庫の中で3カ月保存可能という長所のあるワクチンです。日本の医療従事者に対して接種が開始されているファイザー社や、接種が検討されているモデルナ社のワクチンはmRNAの技術を使用したワクチンであるのに対して、アデノウイルスを用いるという以前から使われていた手法を用いてJ&Jのワクチンは作られています。下記の表が各社のワクチンの特徴の比較になります。J&J社製の新型コロナウイルスワクチンは、接種回数の少なさや保存方法の簡便さがある一方で、効果は劣ることが示されています。

 


 血栓症に関しては、今後の調査が待たれるところです。

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