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血液検査の異常ーCRPが高い原因と受診の目安

 健診や人間ドックの結果を受け取ったとき、「CRP高値」という文字に不安を覚えた経験のある方は多いと思います。では、この数値が示すものは何でしょうか。

 CRPは血液検査でよく測定される炎症の指標で、体のどこかに炎症や組織障害が起きていると上昇します。それではCRPの基本的な仕組み、異常値の意味、考えられる原因や症状、CRP高値が示された場合にどのように対応していくべきかを見ていきましょう。

 

1.CRP(C反応性タンパク)とは?

2.CRPはどうして上昇するのか

3.CRP高値の主な原因

4.症状との関係

5.健診でCRPが高いと言われたら

6.検査と診断の流れ

7.まとめ

 

1.CRP(C反応性タンパク)とは?

 CRPは「C反応性タンパク(英語:C-Reactive Protein)」の略で、肝臓で作られる急性期反応蛋白の一種です。細菌感染や組織の炎症が起こると、血中濃度が急激に上昇します。

 

 医療機関によりますが、一般的な基準値は 0.3mg/dL未満 とされ、0.3~1.0mg/dL程度の軽度上昇は、風邪やちょっとした炎症でも起こり得ます。3.0mg/dL以上になると、細菌感染や比較的強い炎症を伴う疾患が疑われます。このように、CRPは血液検査でよく測定される炎症の指標で、体のどこかに炎症や組織障害が起きていると上昇します。

 

 

2.CRPはどうして上昇するのか

 体に細菌やウイルスが侵入したり、けがをしたりすると、体はそれに反応して炎症を引き起こします。このとき、インターロイキン6(IL-6)などの炎症性サイトカイン(体内で炎症を促進する物質)が分泌され、これらが肝臓に働きかけて、CRPというタンパク質を作るよう指示します。その結果、血液中のCRPの量が増加します。つまり、CRPは「体の中で炎症が起きているサイン」として、医師が病状を判断する大切な手がかりになります。

 

 

3.CRP高値の主な原因

 CRP上昇はあくまで「炎症の存在」を示すに過ぎず、原因は多岐にわたります。

 

1)感染症によるCRP上昇

 ・細菌感染(肺炎、尿路感染症、胆のう炎など)で特に顕著に上昇します。

 ・ウイルス感染では上昇は軽度にとどまることが多いです。

 

2)炎症性疾患・自己免疫疾患

 ・関節リウマチや膠原病

 ・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

 

3)組織の炎症や損傷

 ・心筋梗塞や骨折、外傷、手術後など

 ・組織が損傷すると一時的にCRPが上昇

 

4)がんに関連するCRP高値

 ・一部の悪性腫瘍(特に進行がん)でもCRPが上昇することがあります。

 

5)生活習慣病や動脈硬化との関わり

 ・動脈硬化や肥満、メタボリックシンドロームとの関連も報告され、低度炎症を示す指標として注目されています。

 

表1.CRP高値の原因

 

4.症状との関係

 CRP自体が症状を起こすわけではなく、原因となる病気によって現れる症状はさまざまです。

 

1)CRP高値で現れる症状は?

 ・肺炎 → 発熱・咳・呼吸困難

 ・尿路感染症 → 発熱・頻尿・排尿時の痛み

 ・関節リウマチ → 関節の腫れや痛み

 ・がん → 体重減少・倦怠感 など

 

2)「症状がない高値」の場合に考えられること

 「CRP高値」だけでは病気を特定できないため、臨床症状や他の検査所見と組み合わせて判断されます。

 一方で、自覚症状がほとんどないのにCRPが高めに出ることもあります。風邪の回復期や軽い炎症、あるいは肥満や動脈硬化といった慢性的な生活習慣病に関連する“低度の炎症”が背景にある場合です。こうしたケースではすぐに深刻な病気を意味するわけではありませんが、数値が続けて高い状態がみられるときには、慢性疾患やがんなどが隠れていないか確認するための追加検査が必要になることもあります。

 

5.健診でCRPが高いと言われたら

 健診や人間ドックでCRP高値を指摘された場合、まずは「症状があるかどうか」が重要です。

 

 ・発熱や咳、強い体調不良 → 速やかに医療機関を受診

 ・自覚症状が乏しい場合 → 他の血液検査(白血球数、肝腎機能、腫瘍マーカーなど)や画像検査と組み合わせて、原因を探ることになります。

 

 軽度の上昇で症状がなく、再検査で正常化するケースも珍しくありません。しかし、繰り返し高値を示す場合は、慢性的な炎症性疾患や腫瘍性病変の可能性もあるため、放置せず精密検査が必要です。

 

6.検査と診断の流れ

 症状の有無、持病、薬の使用状況などを確認し、必要であれば追加の検査を行います。

 

 ・追加の血液検査

  白血球数、赤沈(ESR)、肝腎機能、自己抗体など

 ・画像検査

  胸部X線、腹部エコー、CTなど

 ・必要に応じて専門科へ紹介

  リウマチ科、消化器科、呼吸器科など

 

7.まとめ

 CRPは「体内で炎症が起きているかどうか」を知る上で重要なマーカーです。高値だからといって必ず重い病気とは限りませんが、感染症から慢性炎症性疾患、さらには悪性腫瘍まで幅広い可能性を含んでいます。健診でCRP高値を指摘された場合は、症状の有無にかかわらずご相談いただき、必要に応じて追加の検査を受けることが大切です。「CRP=炎症のサイン」と理解し、体からの警告を見逃さないことが健康維持につながります。

 

 

【監修医】

本田 謙次郎(Kenjiro Honda)

市川駅前本田内科クリニック院長/医学博士
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
総合内科専門医・腎臓専門医・透析専門医・厚生労働省認可 臨床研修指導医

 

略歴

2005 年 東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院・日赤医療センターで初期研修

2007 年 湘南鎌倉総合病院 腎臓内科

2009 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)入学

2013 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒業

2014 年 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教

2020 年 市川駅前本田内科クリニック開院・院長就任

その他 宮内庁非常勤侍医、企業産業医等(日本銀行・明治安田生命・日鉄住金建材 ほか)歴任

 

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本記事は一般情報です。診断・治療は必ず医師の診察をお受けください。

 

 

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