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コーヒー・紅茶・緑茶のシュウ酸を減らす飲み方

1.コーヒー・紅茶・緑茶とシュウ酸

2.緑茶・抹茶とシュウ酸

3.コーヒー・紅茶とシュウ酸

4.ルイボスティーや麦茶とシュウ酸

5.チョコレート・ココア・グリーンスムージー

6.ナッツ類とシュウ酸

7.よくある質問

 

 

1.コーヒー・紅茶・緑茶とシュウ酸

 私たちが日常的に飲むコーヒー、紅茶、緑茶には、シュウ酸という物質が含まれています。シュウ酸は植物が自然界で作り出す有機酸の一種で、体内でカルシウムと結合すると、腎臓結石(シュウ酸カルシウム結石)の原因となることがあります。しかし、これらの飲料を完全に避ける必要はありません。飲料の種類による違いを理解し、飲み方を工夫することで、お茶やコーヒーを楽しみながら健康を守ることができます。

 

 

2.緑茶・抹茶とシュウ酸

1)緑茶の種類によるシュウ酸含有量の違い

 緑茶の種類によって、シュウ酸含有量には明確な違いがあります。シュウ酸含有量は以下の順序です。 

玉露 > 抹茶 > 煎茶 > 番茶 > ほうじ茶

 

 ほうじ茶や番茶は、煎茶や玉露に比べてシュウ酸含有量が少なく、腎臓結石が心配な方にも比較的安心して飲める緑茶です。

 

2)抹茶と煎茶の違い

 煎茶は、茶葉にお湯を注いで成分を抽出し、抽出液だけを飲みます。茶葉自体は急須に残り、飲むことはありません。そのため、茶葉に含まれるシュウ酸のうち、お湯に溶け出した分だけを摂取することになります。

 

 一方で抹茶は、茶葉を細かく粉砕して粉末状にし、お湯に溶かして飲みます。茶葉そのものを摂取するため、茶葉に含まれる栄養素や成分をほぼ全て摂取することになります。これは、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの有効成分も多く摂取できるというメリットがある反面、シュウ酸も煎茶よりも多く摂取することを意味します。

 

 

3)一番茶と二番茶の栄養成分の違い

 緑茶は年に複数回収穫され、春の一番茶(新茶)が最も品質が良いとされています。一番茶は、前年の秋から約半年間かけて茶樹が栄養を蓄え、春先の涼しい気候の中でゆっくりと成長した新芽から作られます。この長い成長期間により、旨味成分であるテアニンが豊富に含まれます。研究によると、一番茶のテアニン含有量は二番茶の約3倍にもなると言われています。

 

 一方、二番茶は一番茶を摘んだ後、約45日という短い期間で成長します。6月の気温が高い時期に急速に成長するため、カフェインやカテキン(渋味成分)が多くなり、一番茶に比べて渋味や苦味が強くなります。このような特性から、二番茶以降の茶葉は、ほうじ茶に加工されることも多くあります。

 

4)緑茶を楽しむための工夫

 温かいほうじ茶はリラックス効果もあり、香ばしい香りが心を落ち着かせてくれます。ほうじ茶や番茶は、カフェインも煎茶や玉露に比べて少ないため、就寝前や小さなお子さんにも適しています。

 

日常の水分補給:ほうじ茶や番茶を中心に選ぶ
玉露や抹茶:特別な時に楽しむ程度に留める
煎茶:1日2〜3杯程度であれば、健康な方には過度な心配は不要
抹茶ラテにする:牛乳と合わせることで、牛乳に含まれるカルシウムがシュウ酸と腸内で結合し、シュウ酸の吸収を抑制できます

 

3.コーヒー・紅茶とシュウ酸

1)コーヒーと紅茶のシュウ酸

 紅茶やコーヒーには、シュウ酸が含まれています。これらは腎臓結石のリスク要因の一つとして認識されていますが、完全に避ける必要はなく、飲み方の工夫によってリスクを軽減することができます。コーヒーや紅茶を飲む際、牛乳を加えることは、シュウ酸の吸収を抑制する効果的な方法です。牛乳に豊富に含まれるカルシウムは、腸管内でシュウ酸と結合し、体に吸収されにくいシュウ酸カルシウムの複合体を形成します。この複合体は便として排出されるため、血液中に吸収されるシュウ酸の量が減少します。

 

 

2)コーヒーフレッシュについて

 コーヒーフレッシュ(植物性油脂を主成分とするクリーム)には、カルシウムがほとんど含まれていません。そのため、シュウ酸の吸収抑制効果は期待できません。カルシウムによる予防効果を期待する場合は、本物の牛乳を使用することが重要です。

 

 コーヒーや紅茶は、1日1~2杯程度であれば、健康な方には過度な心配は不要です。ただし、腎臓結石の既往がある方や、尿路結石のリスクが高い方は、医師と相談しながら摂取量を調整することをお勧めします。1日を通じて、コーヒーや紅茶だけで水分補給をするのではなく、シュウ酸含有量の少ない飲料も組み合わせることで、全体としてのシュウ酸摂取量を抑えることができます。

 

4.ルイボスティーや麦茶とシュウ酸

1)ルイボスティー

 ルイボスティーは、南アフリカ共和国で栽培される、マメ科の針葉樹「ルイボス」から作られる飲料です。ルイボスティーは、シュウ酸含有量が非常に少ない、またはほとんど含まれていないとされています。そのため、腎臓結石予防の観点から推奨される飲料です。ルイボスティーはシュウ酸が少ないだけでなく、カフェインも含まれていません。そのため、就寝前や妊娠中の方、小さなお子さんでも安心して飲むことができます。

 

 

2)麦茶

 麦茶は、大麦を焙煎して作られる飲料で、シュウ酸含有量が少ないとされています。カフェインも含まれておらず、日本では古くから夏の水分補給として親しまれてきました。麦茶は、水分補給と腎臓結石予防を兼ねた理想的な飲み物です。家庭で手軽に作ることができ、経済的でもあります。

 

5.チョコレート・ココア・グリーンスムージー

1)チョコレート・ココア

 チョコレートとココアは、シュウ酸を多く含む食品です。そのため、以下のような工夫をしながら楽しむことで腎臓結石の予防にもつながります。

  • 適量を心がける
  • ホットチョコレートやココアを飲む場合は、牛乳をたっぷり使う
  • 腎臓結石の既往がある方は、摂取量を控えめにするか、医師に相談

 ココアを飲む場合、牛乳をたっぷり使ったミルクココアにすることで、カルシウムによるシュウ酸吸収抑制効果が期待できます。

 

 

2)グリーンスムージー

 ほうれん草などの葉菜類は、シュウ酸を多く含んでいます。グリーンスムージーは、生の葉物野菜と果物をミキサーで混ぜ合わせた飲料です。しかし、スムージーにすると、液体状になることで一度に大量の葉物野菜を摂取することになります。ほうれん草などの葉物野菜を大量にスムージーで摂取すると、シュウ酸の摂取量が増加する可能性があります。

 

 工夫のポイント

  • ほうれん草などの葉物野菜の量を控えめにする
  • 牛乳やヨーグルトをベースにすることで、カルシウムによるシュウ酸吸収抑制効果が期待できる
  • 毎日飲まず、週に2〜3回程度に留める

 

6.ナッツ類とシュウ酸

1)アーモンドのシュウ酸含有量

 研究によるとアーモンドには100gあたり約400mgのシュウ酸が含まれています。これは食品の中でも比較的高い数値です。ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類は、シュウ酸を多く含む食品であり、尿路結石予防の観点からは摂取量に注意が必要です。

 

2)ナッツ類の食べ方

 ナッツ類は、シュウ酸を多く含む一方で、良質な脂質、タンパク質、ビタミンE、ミネラル、食物繊維などを豊富に含む栄養価の高い食品です。そのため、完全に避けるのではなく、適量を心がけることが重要です。

 

 

工夫のポイント

  • 適量を心がける
  • 牛乳やヨーグルトと一緒に摂取することで、カルシウムによるシュウ酸吸収抑制効果が期待できる
  • 腎臓結石の既往がある方は、摂取量を控えめにするか、医師に相談

 朝食時にシリアルやグラノーラにナッツを加え、牛乳をかけて食べるなどの工夫が有効です。

 

7.よくある質問

Q: ビタミンCサプリメントは腎臓結石のリスクを高めますか?

A: ビタミンCの一部が体内でシュウ酸に代謝されますが、その割合は比較的少なく、個人差があります。

 通常の食事から摂取する程度(1日100〜200mg)では、シュウ酸への変換量はわずかであり、腎臓結石のリスクを高める心配はありません。これは、以下のような一般的な果物に含まれる量です

  • オレンジ1〜2個:約100〜200mg
  • キウイフルーツ1〜2個:約140〜280mg
  • いちご10粒程度:約80mg

 新鮮な果物や野菜からビタミンCを摂取することは、健康的な食生活の基本であり、腎臓結石のリスクを心配する必要はありません。

 一方、高用量のサプリメント(1日2000mg以上)を長期的に摂取すると、尿中シュウ酸排泄量が増加する可能性があります。特に腎臓結石の既往歴がある方は、サプリメントの使用について事前に医師に相談することをお勧めします。

 

Q: コーヒーや紅茶に牛乳を入れると腎臓結石の予防になりますか?

A: はい、効果があります。

 カルシウムは、腸管内(消化管の中)でシュウ酸と結合し、体に吸収されにくいシュウ酸カルシウムの複合体を形成します。この複合体は水に溶けにくく、腸管から血液中に吸収されることなく、便として体外に排出されます。その結果、血液中に吸収されるシュウ酸の量が減少し、最終的に腎臓で尿中に排泄されるシュウ酸の量も減少します。これにより、腎臓でシュウ酸カルシウム結石が形成されるリスクが低下します。

 

 

Q: 1日にどのくらいの水分を摂ればよいですか?

A: 腎臓結石予防の基本は、十分な水分摂取です。一般的に、腎臓結石予防のためには、1日2リットル以上の水分摂取が推奨されています。これは、尿量を増やすことで、尿中のシュウ酸やカルシウムの濃度を薄め、結石が形成されにくくする効果があります。

 十分な水分を摂取することで下記のような効果が期待できます。

  • 尿量が増加する
  • 尿中のシュウ酸濃度が低下する
  • 尿中のカルシウム濃度が低下する
  • 結石の結晶が形成されにくくなる
  • 既にできた小さな結石が流れやすくなる

 シュウ酸を多く含む飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)を飲む場合でも、シュウ酸含有量の少ない飲料として十分な水分を摂取していれば、尿が薄まり結石のリスクが下がります。

 

 

 

【監修医】

本田 謙次郎(Kenjiro Honda)

市川駅前本田内科クリニック院長/医学博士
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
総合内科専門医・腎臓専門医・透析専門医・厚生労働省認可 臨床研修指導医

 

略歴

2005 年 東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院・日赤医療センターで初期研修

2007 年 湘南鎌倉総合病院 腎臓内科

2009 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)入学

2013 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒業

2014 年 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教

2020 年 市川駅前本田内科クリニック開院・院長就任

その他 宮内庁非常勤侍医、企業産業医等(日本銀行・明治安田生命・日鉄住金建材 ほか)歴任

 

最新の医学知識をわかりやすく発信し、地域の“かかりつけ医”として健康を支えます。
本記事は一般情報です。診断・治療は必ず医師の診察をお受けください。

 

 

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