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慢性腎臓病外来

慢性腎臓病(CKD)は、初期には症状が出にくく、知らないうちに進行してしまうことが少なくありません。当院では、東京大学医学部附属病院で腎生検・腎病理の診断に長く携わってきた経験をもとに、腎機能低下の原因を見極め、一人ひとりに合った治療をご提案します。早期発見と進行抑制を通じて、腎臓を長く守るお手伝いをします。

1.院長からのメッセージ

 人生100年時代を迎え、長く生きるほど腎臓の働きは少しずつ低下していきます。近年は、ご高齢になってから透析が必要になる方も増えてきました。一方で、腎臓病は初期から中期にかけて自覚症状が出ることが少なく、健康診断などで指摘されても「症状がないから」と見過ごされ、知らないうちに進行してしまうことが少なくありません。

 腎臓病は、内科の中でも特に診断が難しい分野です。原因は一つとは限らず、複数の要因が重なり合って腎機能が低下していることが多く、その全体像を正しく読み解くには専門的な経験が必要です。しかし腎臓専門医の数は限られており、特に千葉県は人口に対して腎臓内科が少ない地域です。これまで、適切な診療を求めて遠方の病院まで通われている方を、数多く見てきました。

 そうした方々に、腎臓専門医として、できる限り身近な場所で適切な医療をお届けしたい──それがこの外来を始めた理由です。慢性腎臓病の診療では、早期に見つけて進行を抑えること、そして一人ひとりの状態を正しく見極めたうえで、納得して治療を選んでいただくことを大切にしています。

 難しいことをわかりやすい言葉でお伝えし、安心していただけるよう、誠実に向き合ってまいります。腎臓のことで気になることがあれば、何でもご相談ください。

市川駅前本田内科クリニック 院長 本田 謙次郎

2.当院の慢性腎臓病外来の特徴

腎病理を自らの目で読んできた経験をもとに、腎機能低下の原因を見極めます。

腎病理を「自分の目」で読んできた経験

 院長は、東京大学医学部附属病院で腎生検(腎臓の組織を採取して顕微鏡で調べる検査)の責任者を務め、ほぼすべての症例の腎病理を自ら診断してきました。担当の若い医師と一緒にプレパラートを顕微鏡で見ながら所見を確認し、実際の臨床経過と照らし合わせて、どう考えていけばよいかを指導する──そうした診療と教育を積み重ねてきました。

 腎臓の病理は非常に奥が深く、経験を積んだ専門家どうしでも解釈が分かれることが少なくありません。その奥深さを知っているからこそ、一つの見方に固執せず、慎重に判断することの大切さも理解しています。長い時間をかけて、一例一例の病理像と臨床経過を結びつけてきた経験は、院長にとってかけがえのない財産です。

 この経験があるため、患者さんの検査データを見ながら「いま腎臓の中でどんなことが起きているか」を、頭の中で病理像として思い描きながら診療にあたることができます。なお、院長は現在も東京大学医学部附属病院で外来診療を継続しています。

希少な腎臓病・難病の診療経験

 Alport症候群、Fabry病、各種の腎炎や血管炎、その他の遺伝性・希少腎疾患など、診断や治療が難しい腎臓病を数多く経験してきました。こうした病気の多くは腎病理をもとに診断し、治療方針を決めていきます(多発性のう胞腎のように、画像検査で診断するものもあります)。専門的な経験がなければ判断が難しく、「原因のはっきりしない腎機能低下」の背景に、こうした病気が隠れていることもあります。

困ったときに頼れる医療ネットワーク

 すべてを当院だけで完結できるとは考えていません。専門外の判断が必要なときや、より高度な検査・治療が必要なときには、信頼できる医療機関・専門医と連携しながら、患者さんにとって最適な道を一緒に探します。長年の診療を通じて築いてきた、困ったときに相談できる先生方とのつながりも、当院の心強い支えです。

3.慢性腎臓病(CKD)とは

 慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)は、腎臓の働きが慢性的に低下した状態、または尿に蛋白が出るなどの異常が続く状態の総称です。糖尿病、高血圧、加齢に伴う動脈硬化、腎炎など、さまざまな原因で起こります。

 腎臓病の難しさは、多くの場合、原因が一つではないことにあります。たとえば糖尿病による変化、高血圧・動脈硬化による変化、過去の薬剤の影響、結石の影響などが、いくつも重なっていることがあります。

 初期から中期には自覚症状が出にくく、健康診断で「腎機能が低下している」「尿に蛋白が出ている」などと指摘されて初めて気づくことが多い病気です。早く見つけて適切に対応することで、進行を遅らせ、透析が必要になる時期を遠ざけることが期待できます。

4.当院で行う診療内容

原因の見極め・検査・治療・合併症管理・栄養指導まで、総合的に対応します。

原因の見極め(複合要因の「重みづけ」)

 慢性腎臓病外来でまず大切にしているのが、腎機能低下の原因を正しく見極めることです。前述のとおり、原因は一つではなく複数の要因が重なっていることがほとんどです。

 当院では、その複数の要因を平面的に並べるのではなく、「どの要因がどれくらい重いか」を立体的な地図のように捉えます。ある方では一つの要因が大きく影響し、別の方では上位2つの要因で全体の大部分を占める、といったように、重みは一人ひとり異なります。

 この「重みづけ」ができると、何にどれだけ力を入れて治療すべきかが明確になります。本当に重要な部分はしっかりお伝えし、優先度の低い部分は「今は無理をしなくてよい」とお伝えする。患者さんの状態やご希望に合わせて、解像度の高い説明と治療方針をご提案できます。

検査・評価

 腎臓病の評価は、血液検査・尿検査・腹部超音波検査(エコー)が基本となります。必要に応じて、CT・MRI、尿細胞診、特殊な検査を追加することもあります。

 当院では、血液・尿検査、腹部超音波検査、血圧測定・家庭血圧の評価のほか、合併症の評価に必要な心電図・胸部X線・心臓超音波検査(心エコー)も院内で対応しています。腎生検など、より精密な検査が必要と判断した場合には、適切な医療機関と連携してご案内します。

治療

 治療は、見極めた原因の「重み」に応じて組み立てます。原因ごとに有効な治療が異なるためです。血圧管理(ACE阻害薬・ARB、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など)、SGLT2阻害薬をはじめとする腎保護を意識した薬物療法、食事・生活習慣の指導などを、お一人おひとりの状態に合わせて行います。腎臓を守ることは、心臓や血管の病気を予防することにもつながります。

 また、ガイドラインに基づく標準的な管理を着実に行うことに加えて、一人ひとりの個別性も大切にしています。たとえば「この方は動脈硬化が進みやすい傾向があるので、目標をやや厳しめに」「この方はもう少し緩やかな管理でも問題ない」といった調整です。現代の医療は、医師が一方的に決めて押し付けるものではありません。こうしたほうがよい、という考えをお伝えしたうえで、患者さんご自身に選んでいただくことを大切にしています。

合併症の評価・管理

 慢性腎臓病が進むと、貧血(腎性貧血)、電解質の異常、骨やミネラルの代謝異常など、さまざまな合併症が生じることがあります。これらを、重症度に応じた適切な頻度で評価し、管理していきます。

食事・栄養の指導

 院長は東京大学医学部附属病院で、腎臓病の栄養に関するセミナー(病態栄養セミナー)の講師を務めてきました。塩分・たんぱく質・カリウム・リンなど、腎臓の状態に応じた食事のポイントを、無理なく続けられる形でご提案します。

5.こんな方はぜひ一度ご相談ください

  • 健康診断や人間ドックで「腎機能が低い」「クレアチニンが高い」「eGFRが低い」と指摘された
  • 尿検査で「尿蛋白」「尿潜血」を指摘された
  • 原因がはっきりしないまま腎機能が下がってきている
  • 糖尿病や高血圧があり、腎臓への影響が心配
  • ご家族に腎臓病や透析を受けている方がいる
  • すでに慢性腎臓病と言われているが、一度専門的に診てもらいたい

6.受診について

 紹介状の有無は問いません。お持ちの方はご持参ください。これまでの検査結果(特に健診結果や画像検査)、お薬手帳をお持ちいただくとスムーズです。

 慢性腎臓病は、重症度や原因によって適切な受診間隔が異なります。状態を見極めたうえで、お一人おひとりに合った通院のペースをご提案します。

7.他院・地域の先生方へ(ご紹介について)

 原因のはっきりしない腎機能低下、健診で指摘された蛋白尿・血尿、進行する慢性腎臓病、背景に腎炎や血管炎・遺伝性腎疾患などが疑われる方など、腎臓の専門的な評価が必要と思われる患者様がおられましたら、ぜひ一度ご紹介ください。腎臓の専門部分のみ拝見し、結果をお返しする形でも対応可能です。

 腎臓専門医がすべてを継続的に診る必要はないと考えています。一度専門的に評価して方針を立て、普段の管理は地域の先生方にお願いし、節目や悪化のサインがあるときに改めて専門的に診る──そうした連携が、患者さんにとっても負担が少なく、理想的だと考えています。当院は腎臓の専門部分を担い、内科全般の日常管理は地域の先生方と連携する体制を基本としています。患者様のご希望に応じて、当院をかかりつけとする形にも柔軟に対応いたします。

8.ご予約・お問い合わせ

 慢性腎臓病の診療は「一般外来」で承っております。下記のオンライン予約、または診療開始時刻の5分前以降にお電話(047-702-5508)でご予約ください。

まとめ

 慢性腎臓病は、早期に見つけて原因を正しく見極め、適切に対応することで、進行を抑えながら腎臓を長く守ることができます。当院では、東京大学医学部附属病院での腎病理診断の経験をもとに、原因の見極めから治療、合併症管理、栄養指導まで総合的に対応します。健診で腎臓の数値を指摘された方、原因のわからない腎機能低下が気になる方は、お気軽にご相談ください。

 

 

【監修医】

本田 謙次郎(Kenjiro Honda)

市川駅前本田内科クリニック院長/医学博士
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
総合内科専門医・腎臓専門医・透析専門医・厚生労働省認可 臨床研修指導医

 

略歴

2005 年 東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院・日赤医療センターで初期研修

2007 年 湘南鎌倉総合病院 腎臓内科

2009 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)入学

2013 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒業

2014 年 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教

2020 年 市川駅前本田内科クリニック開院・院長就任

その他 宮内庁非常勤侍医、企業産業医等(日本銀行・明治安田生命・日鉄住金建材 ほか)歴任

 

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本記事は一般情報です。診断・治療は必ず医師の診察をお受けください。

 

 

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