慢性腎臓病の治療
透析や腎移植に至る前の時点での慢性腎臓病の治療は、表4のように3つに大別されます。
表4では少しわかりづらいですので、具体例を挙げてみます。わかりやすくするため、治療の部分は代表例のみを示しています。
例)常染色体優性多発性のう胞腎、慢性腎臓病G4A1の場合
1.慢性腎臓病の原因(=常染色体優性多発性のう胞腎)に対する治療
トルバプタンなど
2.慢性腎臓病の原因(=常染色体優性多発性のう胞腎)の合併症に対する治療
脳動脈瘤に対する管理など
3.慢性腎臓病の合併症に対する治療
貧血に対する治療など
一方、透析が必要になり透析を開始した場合には、慢性腎臓病のステージとしてはG5Dと表記します。血液透析、腹膜透析に応じて、注意するべきポイントがかわってきます。前者の血液透析では透析から次の透析に至るまでの体重増加やシャントなどのブラッドアクセスに問題はないか、後者の腹膜透析では腹膜透析用のカテーテルに問題はないかなどです。腎移植の場合はG3bTなどのように表記し、もともとの腎臓病が再燃していないか、拒絶反応はないか、免疫抑制薬によるトラブルはないか、などが主なポイントになります。