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頭痛の原因・予防法・治療

 頭痛は人生で誰もが一度は経験する一般的な症状です。頭痛は大きく分けて2種類あり、何らかの病気を原因とし、時には命にかかわるような病気のサインとして現れる「二次性頭痛」と、CTでの異常などといった原因がなく見られる「一次性頭痛」に大別されます。一次性頭痛は、ストレス、気象など、日常生活にかかわるものによって引き起こされることがあります。それぞれの種類、原因、対処法を詳しく説明していきます。

 

1.頭痛の種類

2.頭痛の原因

3.頭痛の予防法・治療

4.医療機関の受診

5.頭痛に関するよくある質問(Q&A)

 

1.頭痛の種類

一次性頭痛

1) 緊張型頭痛

 緊張型頭痛は、頭痛の中では頻度が高いものです。長時間同じ姿勢を続けることで、頭や首、肩の筋肉への負担がかかると、頭全体に鈍い痛みが広がるような頭痛が起こります。長時間の同じ姿勢の例としては、PC作業やデスクワークなどのうつむいた姿勢、体に合っていない高さの枕の使用などがあげられ、午前よりも、一日中活動をして疲労がたまった夕方に多い傾向があります。また、ストレスや疲労が引き金となることがあるため注意が必要です。

2) 片頭痛

 片頭痛は、頭の片側にズキズキとした強い痛みを伴うことが多い頭痛です。頭痛に伴って、視界にギザギザした光が現れるような症状(閃輝暗点)が起きたり、光や音に敏感になったり、吐き気や嘔吐の症状が出たりすることもあります。片頭痛の発症には寝不足やホルモンの変動が関与しているとされていて、女性の場合は生理(月経)のタイミングで頭が痛くなることもあります。

3) 群発頭痛

 群発頭痛は、目の周囲に激しい痛みを感じる頭痛で、数週間から数ヶ月の間に集中して発生し、一回に数十分から数時間の頭痛が発生します。はっきりとしたメカニズムはわかっていませんが、体内時計の乱れが関与している可能性や、三叉神経が何らかの理由で活発になることが原因と言われています。男性に多く見られ、アルコールやタバコなどが症状を悪化させる要因と言われています。

 

4) 気象痛

 気象痛は天気痛とも呼ばれ、天気が変化したタイミングに起きる頭痛です。晴れから雨や曇り、などと天気が良くなるよりも悪くなる時のほうが多いと言われています。台風の時にはより顕著に起こります。気象痛の症状としては、眠気や吐き気といった症状が現れることもあります。

Q:なぜ雨の日や台風の時に必ず頭痛がするの?

A:耳の奥には「内耳」というセンサーのような器官があり、そのセンサーが敏感な方は気圧の変化を受け取りやすく、脳に過剰に信号を送ってしまうため、頭痛が現れると言われています。

 

二次性頭痛

1) 副鼻腔炎による頭痛

 副鼻腔炎(蓄膿症)では、鼻の周りの副鼻腔が炎症を起こすことにより発生した膿が、副鼻腔に溜まることで頭痛が起きます。コロナウイルスなどのウイルスや、細菌による風邪や、花粉症などによるアレルギーが悪化要因となることが多い病気です。

 

2) その他-危険な病気のサイン-

 くも膜下出血や脳腫瘍、脳出血、髄膜炎といった緊急性のある様な病気のサインとして頭痛が現れることもあります。これまで経験したことのないような、突然の激しい頭痛や、麻痺やしびれを伴うような頭痛、時間の経過とともに痛みが強くなる頭痛などが起きた場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

 

2.頭痛の原因

1) ストレス

 仕事や学校、家庭のプレッシャーなど、ストレスが原因で肩や首、後頭部の筋肉が緊張し、緊張型頭痛などの頭痛を引き起こすことがあります。ストレスは片頭痛や群発性頭痛の原因にもなりうるため注意が必要です。

2) 食生活

 カフェイン、チョコレートなど特定の食品が脳の血管に影響を与え、片頭痛を誘発することがあります。食生活の見直しが予防につながる場合もあります。

3) 睡眠不足

 十分な睡眠をとらないと、ホルモン分泌などに影響を及ぼし、頭痛を引き起こすと言われています。規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。また、逆に寝すぎることで頭痛が生じることもあります。

4) 身体の姿勢

 悪い姿勢で長時間座ることや、スマホを長時間使用することは、首や肩の筋肉を緊張させ、頭痛を誘発することがあります。背中を丸めたような姿勢に注意し、よい姿勢を心がけましょう。

5) 熱中症

 熱中症により体温が上昇し、発汗に伴う水分不足での脱水状態や、塩分などの栄養素の不足が原因で頭痛が発生することがあります。

6) お酒の飲みすぎ

 二日酔いで起こる頭痛は、アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドという物質によるものです。アセトアルデヒドが血管を拡張し、神経を圧迫することで頭痛が発生します。水分補給をしっかりと行い休みながら飲むなど、飲酒をコントロールし、二日酔いを予防できるようにしましょう。

 

3.頭痛の予防法・治療

1) リラックス法

 十分な休息をとりストレスを軽減することを心がけましょう。時には学校や仕事を休むのも一つの方法かもしれません。また、筋トレやストレッチ、ランニングといった運動もストレスを和らげることが可能です。普段からストレスを軽減していくことで頭痛の予防も可能となります。

2) 規則正しい生活

 十分な睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけ、自律神経を整えていくことが大切です。

3) 薬物療法

 頭痛に用いられる薬は頭痛の種類や程度によって異なった薬剤が使われます。また、それらは市販薬から処方箋が必要なものまでさまざまで、副作用の頻度や程度も多岐にわたります。頭痛の種類と、それぞれに適した薬剤、その薬剤の特徴について下記の表にまとめます。

・一般的な頭痛薬

 頭痛の中でも比較的多い緊張型頭痛と片頭痛を含め、解熱鎮痛剤のカロナール®や、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)のロキソニン®やイブプロフェンなどが用いられます。ただし、非ステロイド系消炎鎮痛薬を頻繁に使用すると胃腸障害や腎障害が起こることがあり、それぞれの頭痛にあった薬やカロナール®を用いるほうがより安全です。

 

表1.一般的な治療薬

 

緊張型頭痛

 緊張型頭痛ではミオナール®やテルネリン®などの筋弛緩薬を用いることで筋肉のこわばりを和らげ、痛みを改善する方法があります。

 

表2.緊張型頭痛の治療薬

 

片頭痛

 片頭痛の治療薬は、発作が起きてすぐ飲まなければいけないものや、時間がたってからでも効果があるもの、頭痛が起きる前に平時から飲んでおく発作予防薬に分類されます。片頭痛発作が起きてすぐ飲む薬は、イミグラン®、ゾーミッグ®、レルパックス®、マクサルト®などのトリプタン製剤です。一方、レイボー®は発作後少し時間がたっても効果があります。これらの片頭痛発作時に飲む薬は眠気が出ることがあるので、初めて内服する際には注意しましょう。頻繁に片頭痛発作が起こる場合には、ミグシス®やデパケン®などを毎日内服することで発作が起こらないようにしますが、これでも抑えられない場合には、エムガルディ®、アジョビ®、アイモビーグ®といった注射薬が用いられることがあります。注射薬は高価であり、処方される医療機関は限定されます。なお、当院はいずれの薬も処方が可能です。

 

表3.片頭痛の治療薬

 

・群発性頭痛・気象痛・副鼻腔炎

 群発性頭痛では鼻腔内に直接投与するイミグラン点鼻薬®を用います。気象痛では漢方の五苓散®がよく使用されます。副鼻腔炎による頭痛では、ムコダイン®などの去痰薬やクラリシッド®などのマクロライド系抗菌薬が用いられ、頭痛の原因となっている副鼻腔炎自体を治すことで痛みを改善させます。また、副鼻腔炎では、薬でよくならない場合に手術を行うことがあります。

 

表4.群発性頭痛・気象痛・副鼻腔炎の治療薬

 

4.医療機関の受診

 頭痛が頻繁に起こり日常生活に支障をきたしている場合や、痛みが激しい場合は重篤な病気が潜んでいる恐れもあるため、医師の診断を受けることが必要です。また、薬には副作用や他の薬との相互作用があり、自己判断で治療をしていくには限界があります。そのため、医師の下で適切な治療を行っていくことが推奨されます。

Q;頭痛の際に何科を受診すればいいですか?

A:一般内科や神経内科、脳神経外科等が挙げられるでしょう。副鼻腔炎など耳鼻咽喉科で主に見られる病気もありますが、迷う際にはまずは内科を受診することから初めていただくのがよろしいかと思います。

 

 

5.頭痛に関するよくある質問(Q&A)

Q1.頭痛で救急車を呼ぶべき症状は?

 頭痛の多くは緊急性がありませんが、重い病気が隠れている場合もあります。これまでに経験したことのない突然の激しい頭痛は、くも膜下出血などの可能性があります。また、頭痛と同時に手足のしびれや麻痺、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった症状がある場合は、脳梗塞や脳出血が疑われます。

 意識がもうろうとする、高熱と首の硬直を伴う頭痛も危険なサインです。
「いつもと違う」「明らかにおかしい」と感じたら、迷わず救急車を呼びましょう。

 

Q2.二日酔いの頭痛を早く治す方法はありますか?

 二日酔いの頭痛は、主に脱水や低血糖、血管の拡張が原因です。まずは水分補給を最優先に行い、スポーツドリンクや経口補水液を少量ずつ飲むのがおすすめです。ジュースやはちみつなどで糖分を補うと、回復が早まります。

 コーヒー1杯程度のカフェインは血管収縮作用により頭痛を和らげることがあります。薬を使う場合は、胃にやさしいカロナール®や五苓散®が比較的安心です。空腹時のロキソニン®などは胃を荒らしやすいため注意しましょう。

 

Q3.スマホ首と頭痛には関係がありますか?

 はい、スマホ首(ストレートネック)は頭痛の原因になります。スマホやパソコンを長時間使用すると首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで緊張型頭痛が起こりやすくなります。

 画面を見下ろす姿勢を続けないこと、長時間同じ姿勢を避けることが予防のポイントです。首や肩のこりを伴う頭痛が続く場合は、姿勢や生活習慣を見直すことが大切です。

 

Q4.頭がちくちく痛む原因は?

 頭を刺すようにちくちくと感じる痛みは、いくつかの原因が考えられます。代表的なのが後頭神経痛で、首から後頭部に走る神経が刺激されることで起こります。また、緊張型頭痛の一種として現れることもあります。皮膚にピリピリした痛みがあり、発疹を伴う場合は帯状疱疹の可能性もあります。さらに、頭皮の炎症が原因となるケースもあります。

 ただし、痛みが1週間以上続く場合や悪化する場合は、神経内科の受診をおすすめします。

 

 

まとめ

 頭痛は様々な原因によって引き起こされるため、自分にあった治し方や予防法を見つけることが重要です。生活習慣の改善や、ストレスの軽減で、多くの場合、頭痛の頻度や強さを軽減することができます。しかし、自己判断で治療をしていくのは限界があり、必要に応じてクリニックや病院で相談することをおすすめします。

 

【監修医】

本田 謙次郎(Kenjiro Honda)

市川駅前本田内科クリニック院長/医学博士
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
総合内科専門医・腎臓専門医・透析専門医・厚生労働省認可 臨床研修指導医

 

略歴

2005 年 東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院・日赤医療センターで初期研修

2007 年 湘南鎌倉総合病院 腎臓内科

2009 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)入学

2013 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒業

2014 年 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教

2020 年 市川駅前本田内科クリニック開院・院長就任

その他 宮内庁非常勤侍医、企業産業医等(日本銀行・明治安田生命・日鉄住金建材 ほか)歴任

 

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