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高尿酸血症の治療

 高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高くなることで引き起こされ、放置すると痛風や腎臓結石などのリスクが高まります。軽度の場合、食生活の改善や適度な運動、水分摂取で尿酸値を下げることが可能ですが、それでも改善しない場合には、薬物療法が必要になります。

尿酸値を下げるための主な治療法
 高尿酸血症の治療は、主に尿酸値を下げる薬を使って進めていきます。治療法には、尿酸の「産生を抑える薬」と「排泄を促す薬」があり、症状に応じて使い分けるか、併用されることもあります。
① 尿酸の産生を抑える薬(尿酸生成抑制薬)
 尿酸生成抑制薬は、肝臓でプリン体が尿酸に分解されるのを防ぎ、尿酸が過剰に作られるのを抑える薬です。これにより血液中の尿酸値が低下し、痛風や腎臓の病気のリスクを減らす効果が期待できます。
 代表的な薬:トピロキソスタット(トピロリック®、ウリアデック®)、フェブキソスタット(フェブリク®)、アロプリノール(ザイロリック®)
これらの薬は、高尿酸血症による痛風発作の予防や、尿酸値が特に高い場合に使われることが多いです。服用中はまれに肝機能や腎機能に影響を与えることがあるため、定期的な血液検査が推奨されます。

② 尿酸の排泄を促す薬(尿酸排泄促進薬)
 尿酸排泄促進薬は、腎臓で尿酸が排出されやすくする薬です。尿からの尿酸の排泄を促すことで、体内の尿酸値を下げる効果があります。
 代表的な薬:ドチヌラド(ユリス®)、ベンズブロマロン(ユリノーム®)、プロベネシド(ベネシッド®)
尿酸排泄促進薬では、尿中の尿酸濃度が高くなり、結晶ができやすくなることで腎結石が発生しやすくなることがあります。このリスクは体質や生活習慣によっても異なりますが、水分を多くとり、尿量を十分に保つことが大切です。水分を意識的に摂ることで、腎結石のリスクを抑えやすくなります。

③ 尿をアルカリ性にする薬(尿アルカリ化薬)
 尿アルカリ化薬は尿酸を下げる効果はありませんが、尿をアルカリ性に保つことで尿酸の結晶化を防ぎ、腎臓結石や尿路結石の予防に役立つ薬です。尿酸が結晶化しにくくなることで、排出されやすくなります。
 代表的な薬:クエン酸カリウム(ウラリット®)、炭酸水素ナトリウム
これらの薬を使うことで、尿がアルカリ性に近づき、結石のリスクを抑えます。特に、尿酸排泄促進薬を使っている方にとっては効果的な予防策となります。

 薬の服用に加え、日常的に水分をしっかり摂り、バランスの良い食生活を心がけることで、尿酸値の安定や腎臓結石の予防につながります。定期的な検査や医師の指導を受けながら、自分に合った治療法で健康管理をしていきましょう。

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