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経路不明例の解釈


 新型コロナウイルス感染症の蔓延下において、経路不明の割合が多いことにご心配されている方が多いかと思います。実は2020年3-4月あたりの段階では、経路不明例の割合が多いことはきわめて深刻な事態でした。この理由は、基本的に経路を追っているPCR検査がメインなのにもかかわらず、経路がはっきりない割合が増えているということは市中感染が増加しているということを意味しているからでした。

 一方、2021年の現在は市中感染で拡大するのが当たり前、というより大前提である状況です。すなわち、現時点では、経路不明ということが何を意味していることを考えておく必要があります。経路がわかっていると医師から保健所に報告されるということは、陽性となった方が濃厚接触者であるなど経路がほぼ断定できるということを意味します。例えば同じ職場内でコロナ陽性者が報告されていたけれども濃厚接触にはあたらない(例えば、3つ隣の席の同僚がコロナ陽性になった)という場合は、経路がはっきりしないと報告をせざるを得ないわけです。経路が絶対こうと断定できないという場合には、経路不明と報告せざるを得ません。その職場での感染がかなり疑われるとしても、断定的に報告できないので経路不明ということになるわけです。

 この他にも経路不明の割合が増える理由がありますが、上記の事由から、経路不明が増える=外出したら即感染というわけではない、ということになります。すなわち、経路不明の方は、例えば電車に乗ったら知らないうちに感染していた、という方ばかりではないことが推測できるかと思います。とはいえ、電車の中で仮にマスクをつけずに大声で話している人がいれば、万一のことを考えて距離をとるほうが安全でしょう。
 経路不明と報告されている中には様々な方々が含まれています。現在の私達に求められていることは、データを正しく解釈して感染予防に努めることです。正しく注意をし、正しく対応するようにしましょう。

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