5類移行-5類になったら何が変わるのか-
令和5年5月8日(月)より、新型コロナウイルス感染症が2類感染症から季節性インフルエンザと同じ5類感染症に変更となります。
5類移行に伴って、生活面・医療面での変更点があります。5類になると、どのような注意点があるのかをご紹介します。
3.よくある質問
Q3.医療機関での発熱外来受診など、医療体制はどうなるのでしょうか?
Q8.濃厚接触者は自宅待機をしなければいけないのでしょうか?
Q10.全国旅行支援を受けたいのですが、利用条件はどうなりますか?
Q11.海外から帰国した際に、3回のワクチン接種証明書や陰性証明の提示は必要になりますか?
Q12.無料PCRは受けられますか?
5類移行が予定されている状況で、コロナ感染状況はどのようになっているのでしょうか。
図1は東京都のコロナ陽性者数の推移を表しています。4月に入ってからゆるやかにコロナ陽性者数は増加しています。ただし、以前と比べると比較的ゆるやかな増加となっています。
図1.2023年の東京都のコロナ陽性者数(東京都HPより引用)
表1に、5類感染症一覧をお示しします。5類感染症は、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)、風しん、麻しん、水痘、破傷風、HIV感染による後天性免疫不全症候群(エイズ、AIDS)など48種類の感染症があります。
表1.5類感染症一覧(一部を記載)
5月8日以降、社会がどのように変わるのでしょうか。よくある質問について、Q&Aをご紹介します。
A1.厚生労働省の方針では、「マスク着用は個人の判断に委ねる」とされています。ただし、マスク着用が効果的な場面は、下記のとおりです。
・受診時や医療機関・高齢者施設などを訪問する時
・通勤ラッシュ時など混雑した電車・バスに乗車する時
・高齢者や基礎疾患を有する方、妊婦などの重症化リスクが高い方が、感染拡大時に混雑した場所に行く時
A2.コロナの抗原検査・PCR検査は、公費でのサポートがありましたが、5月8日以降は他の検査・治療と同じ自己負担率となります。また、新型コロナ治療薬については公費でのサポートが当面の9月までの間は継続となりますが、解熱鎮痛薬や咳止めなどの治療費は、他の検査・治療と同じ自己負担率となります。例えば、医療費が3割負担の方は、コロナの抗原検査・PCR検査の検査費用、解熱鎮痛薬や咳止めなどの治療薬の費用も3割負担になります。
Q3.医療機関での発熱外来受診など、医療体制はどうなるのでしょうか?
A3.医療機関は、高齢者や基礎疾患を有する方が多くいらっしゃいます。厚生労働省の推奨に基づき、5月8日以降も手指消毒やマスク着用、体温測定をお願いする医療機関が多いことが予想されます。当院も手指消毒やマスク着用、検温をお願いし、新型コロナウイルス感染症で見られる症状がある際には、個室でご案内する形を継続いたします。
なお、医療現場によっては、ハイリスクグループに属する方がほとんどいらっしゃらない医療機関もあります。5月8日以降の発熱などがあった際の受診方法や面会制限の有無などは医療機関ごとに異なりますので、各医療機関からの情報をご確認ください。
A4.学校保健安全法施行規則において、「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」を新型コロナウイルス感染症による出席停止期間としています。また、10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用したり、高齢者等ハイリスク者と接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
A5.法律による外出自粛・行動制限は求められなくなり、個人の判断に委ねられます。つまり、就業制限を設けるか、いつから出社可能とするかは、個人の体調および事業者ごとの判断となるでしょう。
季節性インフルエンザと同等の5類感染症となるため、季節性インフルエンザの対応を参考にすることが多くなるかもしれません。例えば、医療機関・老人ホームなどの高齢者施設などでは、学校保健安全法に準じて「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」を出勤停止とするなどが考えられるでしょう。その他の事業者は、これと同じにするのか、もう少し緩めの対応とするのかは事業者ごとの判断となります。テレワーク・リモートワークを取り入れている際の企業の対応は、体調が改善すればテレワーク・リモートワークによる出勤は可能とするところが多くなるでしょう。
A6.これまではコロナ陽性が判明すると、多くの自治体では陽性者登録センターへの登録や、医療機関からの発生届の届出がなされてきました。5類移行に伴い、これらの陽性者ご自身での陽性登録や医療機関からの発生届の届出が不要となります。健康観察に用いていたHER-SYSも原則的に終了となりますので、健康観察も終了し、ご自身で体調に注意しながら療養していただくことになります。医療機関からの発生届対象者は、My HER-SYSでの療養証明が可能となっていましたが、こちらも利用できなくなります。
A7.自治体ごとに異なりますが、ほとんどの自治体ではホテル療養・宿泊療養はすでに終了している、または5月8日以降は終了予定となっています。首都圏を含む大都市での宿泊療養終了については、下記を参考になさってください。お住まいの自治体のホームページで公表されていることが多いので、最新情報をご確認ください。
Q8.濃厚接触者は自宅待機をしなければいけないのでしょうか?
A8.保健所による濃厚接触者の特定はなくなります。また、以前は、濃厚接触者に対して自宅待機期間の外出自粛が法律により求められていました。一方、5月8日以降は、法律による外出自粛要請はなくなり、濃厚接触者の自宅待機期間もなくなります。ただし、接触後しばらくは体調の変化に十分ご注意ください。
A9.2023年度は、新型コロナワクチン接種は無料のままで継続することが示されています。65歳以上や5-64歳で基礎疾患がある方、医療従事者や高齢者施設等の従事者の方は5月、9月の2回、その他の5-64歳の方は9月の1回、ワクチン接種券が発送される見込みです。なお、これまでの接種時を踏まえると、自治体ごとに発送日にずれがあることが予想されます。お住まいの自治体の案内を参考になさってください。
Q10.全国旅行支援を受けたいのですが、利用条件はどうなりますか?
A10.全国旅行支援の利用条件であったコロナワクチン接種歴またはコロナ陰性結果の確認は、5月8日以降廃止されます。詳しくは観光庁のページをご覧ください。
Q11.海外旅行から帰国した際に、3回のワクチン接種証明書や陰性証明の提示は必要になりますか?
A11.これまで水際対策として行われてきた、日本帰国時の入国制限は、4月29日から撤廃されました。つまり、「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」及び「ワクチンの接種証明書(3回)」は不要になりました。また、5月8日以降は、「発熱など新型コロナウイルス感染症の有症状の入国者に対して現在実施している入国時検査」、「新型コロナウイルス感染症陽性と判明した時点での施設等での療養」も終了となります。帰国時の対応はコロナ禍以前に戻るということになり、渡航先の国の入国制限がなければ、コロナ禍以前と同様に海外旅行や海外出張に行くことができるということになります。詳細は、外務省のページをご覧ください。
A12.下記には、首都圏その他の都道府県の状況をお示しします。自治体ごとに異なりますが、5月8日以降は無料検査が終了するという認識が正しいところかと思います。詳しくは、該当の自治体からの情報をご確認ください。
表2.PCR等検査の無料化事業の終了時期
都道府県 | 無料検査の終了時期 |
東京都 | 都民対象は令和5年5月7日まで |
千葉県 | 令和5年3月31日まで |
神奈川県 | 神奈川県民対象は令和5年5月7日まで |
埼玉県 | 令和5年3月31日まで |
愛知県 | 愛知県民対象は令和5年5月7日まで |
大阪府 | 令和5年3月31日まで |
千葉県では、自宅療養中に症状が重くなった場合などの相談窓口があります。お困りの際には、こちらのご利用も可能です。千葉県以外にお住まいの方は、自治体HPをご確認ください。
「千葉県新型コロナウイルス感染症相談センター」
受付時間 24時間(土日・祝日を含む毎日)
TEL: 0570-200-139