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貧血

1.貧血とは

2.貧血の症状

3.貧血かもと思ったら―チェックするポイント―

4.貧血の原因

5.危険な数値とは―輸血を要する前に気づくために―

6.貧血にいい食べ物

7.貧血の治療

 

 

1.貧血とは

 貧血というのは、赤血球の中にある色素であるヘモグロビンが低下した状態のことをさします。ヘモグロビンは酸素(O2)と結合し、肺から全身へと酸素を運ぶタンパク質です。英語ではHemoglobinと書きますので、HbあるいはHgbなどと略されます。

 

2.貧血の症状

 貧血の症状には、疲れやすい、だるい、息切れ、動悸、顔色が青白くなる、めまいなどがあります。胃腸から出血して貧血になる場合には、お通じが黒いという症状が出ることもあります。

 貧血が高度になると、心不全まで悪化することがあります。心不全については、「心不全とは?-種類と主な原因-」「心不全の症状、検査と治療」をご参照ください。

 

 

3.貧血かもと思ったら―チェックするポイント―

 貧血かもと思ったら、いくつかチェックするポイントがあります。まずは目の下を鏡で見てみましょう。図のようにまぶたを見ると、貧血がない場合には赤みが見られます。一方、貧血がある場合には白く見えます。冷や汗や胸が苦しいくらいの症状が出る程度のひどい貧血になればまぶたは真っ白になり、貧血に気づきやすいですが、見慣れていなければ難しいかもしれません。少しでも貧血が疑われれば、医療機関でご相談されるのがよいでしょう。

 鉄分が不足する鉄欠乏性貧血になると、爪の形が反るような形状になることがあります。爪の形がスプーンに似ているので、スプーン爪と呼ばれます。また、鉄欠乏性貧血では、舌が赤くなって痛くなることがある舌炎や、物が飲み込みにくくなる嚥下障害を認めることがあります。

 

4.貧血の原因

 貧血の原因には、①作られる赤血球中のヘモグロビンが減るというものと、②失う、あるいは壊される赤血球が増えるというものに2つに大別されます。①はさらに、赤血球の材料不足、腎臓や骨髄の病気のために血が作られにくくなるという2つに分かれます。赤血球が作られる栄養素は血液検査で確認することができます。また、腎臓はエリスロポエチンという赤血球を作るように促すホルモンを作っていますが、腎臓の機能が低下するとエリスロポエチンの作られる量が減り、結果として貧血が起こります。また、骨髄で作られる赤血球ですが、白血病や多発性骨髄腫などの骨髄の病気になると十分に赤血球が作られなくなり貧血になります。②のうち、赤血球を失って貧血になるタイプとしては、胃腸から一度に、あるいは少しずつ出血する場合や、子宮筋腫や子宮内膜症のように月経時に出血量が多い場合などがあります。また、赤血球は脾臓で壊されますが、脾臓が腫れるような病気があったり、壊れやすい赤血球になっていたりする場合にも貧血が起こります。その他、体のどこかで何らかの炎症が続いている場合、がんがある場合にも貧血が見られることがあります。

 

 

5.危険な数値とは―輸血を要する前に気づくために―

 ヘモグロビンの正常範囲(医療では基準範囲といいます)は性別等によって異なります。医療機関によって若干の差がありますが、下記が正常範囲です。

  男性 13.5 - 17.6 g/dL

  女性 11.3 - 15.2 g/dL

 

 どのような数値であれ、出血などによって急激に低下する場合には、体に負担がかかり症状が強く出やすくなります。ですので、貧血といわれた場合には、以前の検査はいつに行っているのか、その時のヘモグロビンがどの程度であったのかが重要です。

 

6.貧血にいい食べ物

 鉄分が不足する貧血、いわゆる鉄欠乏性貧血では、鉄分の多い食物を摂取することが貧血の改善につながります。ヘム鉄を含む食材、含まない食材で分けて考えてみましょう。なお、ヘム鉄を含む食材の方が吸収率がよいですので、すぐ治したいという希望の方はヘム鉄の多い食材を多く摂取することを心がけましょう。

 

・ヘム鉄の多い食品
 レバー、赤身肉、魚(いわし・かつお・まぐろ)、貝(しじみ・あさり)など

・非ヘム鉄の多い食品
 野菜(ホウレンソウ・小松菜・春菊)、豆類(納豆・小豆・大豆)、海藻(ひじき)など

 

 

7.貧血の治療

 貧血の治療は、原因に応じたものになります。例えば、体のどこかから少しずつ出血をしている場合には鉄分が不足し貧血になります。この場合の治療は2つで、1つは不足している鉄分を飲み薬や点滴で補うこと、もう1つは出血の原因を探り、出血しないように治療をすることです。別の例で言えば、腎臓の機能が低下した結果、血を造らせるホルモンであるエリスロポエチンが腎臓で十分につくられなくなると貧血になります。これを腎性貧血と呼びますが、程度がひどくなってくると定期的なエリスロポエチン製剤の注射が必要になります。2020年には、低酸素誘導因子(HIF)の調節酵素であるHIF-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害することで腎性貧血の治療をするHIF-PH阻害薬が登場しました。HIF-PH阻害薬は飲み薬になりますので、注射が得意ではないという方も安心して治療を受けることができます。

 2つほど例を挙げましたが、貧血の治療は原因に応じて全く異なってきます。まずは正しく貧血の原因を診断していただくことが最も重要です。

 

 

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【監修医】

本田 謙次郎(Kenjiro Honda)

市川駅前本田内科クリニック院長/医学博士
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
総合内科専門医・腎臓専門医・透析専門医・厚生労働省認可 臨床研修指導医

 

略歴

2005 年 東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院・日赤医療センターで初期研修

2007 年 湘南鎌倉総合病院 腎臓内科

2009 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)入学

2013 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒業

2014 年 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教

2020 年 市川駅前本田内科クリニック開院・院長就任

その他 宮内庁非常勤侍医、企業産業医等(日本銀行・明治安田生命・日鉄住金建材 ほか)歴任

 

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本記事は一般情報です。診断・治療は必ず医師の診察をお受けください。

 

 

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