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体重減少

1.体重減少とは?

2.どのようなときに体重減少が病気と疑うのか

3.体重減少の主な原因

4.症状別の考えるべき疾患

 

 

 体重減少は判断がもっとも難しい症状の一つです。例えば肥満があったので食生活を改めた、運動をするようになった結果、体重が減少したということであれば、多くの場合は体の調子はよくなったと判断できるでしょう。こうした場合、毎年健診を受けていらっしゃる場合には、脂質や血糖、肝機能の数値の改善として実感されるかもしれません。こうした、いい意味での体重減少がある一方で、病的な体重減少というものもあります。具体的には、がんなどの悪性腫瘍や体のどこかに炎症が続く慢性炎症、低栄養、進んだ糖尿病、甲状腺機能亢進症や褐色細胞腫などのホルモン異常の病気などが挙げられます。

 

 

1.体重減少とは?

 意図しない体重の減少がある場合、体重減少率が下記の時には精査が推奨される目安です。

 

 ・6 か月で ≥ 5%(例:60kg→57kg以下、70kg→66.5kg以下)

 ・12 か月で ≥ 10%(例:60kg→54kg以下、70kg→63kg以下)

 

2.どのようなときに体重減少が病気と疑うのか

 過度な食事制限や激しい運動など明確な理由がない場合、背景に病気が隠れている可能性があります。

 

表1.体重減少の背景に病気を疑う場合

項目 問題ない例 病気を疑う例
食欲

食事管理で摂取量を減らした、体重減少効果のある薬を始めた

食欲がない、すぐ満腹になる
活動量 運動を始めた 疲れやすく、活動量が低下
症状 体調良好 発熱・寝汗・咳・動悸・下痢 など

 

 

3.体重減少の主な原因

1)悪性腫瘍(がん)

 胃がん・大腸がん・肺がん など

2)慢性炎症・感染症

 結核、炎症性腸疾患、膠原病 など

3)内分泌・代謝異常

 甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、進行した糖尿病

4)消化吸収障害

 潰瘍性大腸炎、セリアック病、膵外分泌不全(慢性膵炎、膵切除後など)

5)精神・神経疾患

 うつ病、認知症、摂食障害

 

4.症状別の考えるべき疾患

 症状が体重減少だけであれば、疑う病気が広いために検査を一つ一つこなしていくことになります。一方、何かしらの症状を伴っていれば、その症状から疑う病気を絞りこみやすくなります。

 体重減少に伴う症状により、どのような病気を疑うのかを挙げていきます。

 

 

 

表2.症状別に疑う鑑別疾患

症状 疑う疾患(病態)
持続する発熱・寝汗 結核、悪性リンパ腫、感染性心内膜炎
長引く咳・血痰 肺がん、肺結核
腹痛・血便・粘血便 大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病
上腹部痛・背部痛+黄疸 膵がん、胆道がん、慢性膵炎
多飲・多尿・口渇 1型糖尿病2型糖尿病、中枢性尿崩症
動悸・手のふるえ・発汗 バセドウ病、褐色細胞腫
腹水・足のむくみ・易疲労感(疲れやすさ) 心不全肝硬変
慢性下痢・脂肪便 セリアック病、膵外分泌不全
嚥下困難(飲み込みづらさ)・口の中の痛み 食道がん、頭頸部がん、口腔カンジダ症
易怒(怒りっぽさ)・不眠・情動の変化 うつ病、双極性障害、初期認知症
関節痛・皮膚の発疹 全身性エリテマトーデス、血管炎、リウマチ性多発筋痛症
高齢+ADL低下・握力低下・筋力低下 フレイル、サルコペニア

 

 どの病気を疑うのかによって、採血やレントゲン、CT、MRI、内視鏡検査などを進めていくことになります。なお、表2は疑う病気の例なので、この中に病気があるとは限りません。あくまで参考にとどめ、自己判断せず医療機関を受診してご相談ください。

 

【監修医】

本田 謙次郎(Kenjiro Honda)

市川駅前本田内科クリニック院長/医学博士
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
総合内科専門医・腎臓専門医・透析専門医・厚生労働省認可 臨床研修指導医

 

略歴

2005 年 東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院・日赤医療センターで初期研修

2007 年 湘南鎌倉総合病院 腎臓内科

2009 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)入学

2013 年 東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒業

2014 年 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教

2020 年 市川駅前本田内科クリニック開院・院長就任

その他 宮内庁非常勤侍医、企業産業医等(日本銀行・明治安田生命・日鉄住金建材 ほか)歴任

 

最新の医学知識をわかりやすく発信し、地域の“かかりつけ医”として健康を支えます。
本記事は一般情報です。診断・治療は必ず医師の診察をお受けください。

 

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