【3/31まで】16~27歳女性の子宮頸がんワクチン
16歳から27歳の女性、正確には1997(平成9)年4月2日~2008(平成20)年4月1日が誕生日の女性は、2025(令和7)年3月31日までであれば、子宮頸がんワクチンを公費で受けることができます。子宮頸がんワクチンはワクチンの中でも高額のワクチンにあたりますが、公費助成を使えば自己負担なしで接種を受けることができます。
子宮頸がんは子宮の入り口にできる「がん」で、20歳代後半から増加し、30歳代後半から40歳代にかけて多くなります。がんとしては若い方に起きやすく、これから妊娠・出産を考えている女性が子宮を摘出して子供が産めなくなるということが起きうる病気です。原因の多くがヒトパピローマウイルス(HPV)と考えられています。
子宮頸がんは早期に見つかれば生存率は高いのですが、一方で進行して見つかった場合、Ⅲ期、Ⅳ期の5年生存率はそれぞれ50~60%、20~30%と低くなります。また、日本婦人科腫瘍学会によりますと、ⅠB1・ⅡA1期(扁平上皮癌)という比較的早期に見つかった場合でも、広汎子宮全摘術あるいは根治的放射線治療が推奨されています。日本では、約90%の方が子宮頸がんを取りきって根治する広汎子宮全摘術を選択しているという現状があります。
子宮頸がんワクチンとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンです。日本国内で使用できるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。価というのは、何種類のウイルスに対して予防できるかというもので、数字が多いほどより多くのウイルスに対する予防効果があります。下記の図(厚生労働省のサイトより引用)のように、高い確率で子宮頸がんを予防することができます。
1997年4月2日~2008年4月1日が誕生日の女性を対象としたキャッチアップ接種は、2025年3月31日までで終了します。2025年3月31日までに1回目を接種すれば、2026(令和8)年3月31日まで、残りの回数も公費で接種できます。中には気づいていない方もいらっしゃいますので、対象の方である場合、あるいはご家族や周囲に対象の方がいる場合には、「子宮頸がんワクチンは接種した?」とお声がけしてみてください。
なお、小学6年~高校1年の女性を子宮頸がんワクチン接種は、キャッチアップ接種期間が終了後も継続して行われます。下記の厚生労働省のリーフレットがわかりやすいので、対象の方やその保護者の方は一度ご覧ください。
【厚生労働省のページ】
小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(概要版)
小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)
当院では、9価ワクチンであるシルガード9の接種を行っております。ギリギリの日程になりますと在庫が終了する可能性もございます。接種希望の方はお早めにご来院ください。