睡眠時無呼吸症候群
2.症状
3.原因
5.診断法
6.治療法
眠っている間に呼吸が一時的に止まってしまう病気です。適切に治療しないと日中の眠気から生活の質を低下させます。また、一時的に低酸素状態になるため、体の様々な場所に負担をかけ重い病気になるリスクを増やす可能性があります。
1) いびき
大きな音でいびきをかくのが特徴的です。家族が症状に気づく場合が多いです。
2) 日中の強い眠気
睡眠の質が悪いため、昼間に強い眠気が起こり、集中力が低下します。
3) 起床時の頭痛
酸素不足が原因で頭痛が起こることがあります。
睡眠時無呼吸症候群は大きく分けて、以下の2つのタイプがあります。
1)閉塞型(OSA)
舌や喉の筋肉が緩み、気道が塞がれることによって呼吸が止まります。肥満や加齢が原因となることが多いです。
2)中枢型(CSA)
脳が呼吸をコントロールする信号を正しく送れないことが原因で呼吸が止まります。睡眠時無呼吸症候群は、ほとんどが閉塞型のもので中枢型は比較的珍しいです。また、中枢型は脳血管疾患や神経疾患、心不全、透析を受けている患者さんなどにおいて、一般の方に比べて多く見られます。
図1. 睡眠時無呼吸症候群の図
放置していると、睡眠時無呼吸症候群は無呼吸による酸素不足によって血管や心臓に負担をかけ高血圧、心不全、不整脈、脳卒中、心筋梗塞などのリスクを増大させます。また、居眠りや集中力の低下で交通事故を起こす例もあります。
睡眠時無呼吸症候群を調べる方法は以下の二通りがあります。
1)簡易検査
検査用の器具をレンタルし自宅で行います。睡眠時に鼻の下や指先に装置を取り付け、呼吸の状態や血中の酸素の状態などを調べます。
図2.簡易検査
2)PSG検査
より詳細な検査が必要となる場合は、病院で1泊2日で行うPSG(ポリソムノグラフィー)検査をする必要があります。複数のセンサーを頭、顔、胸部、手足などに取り付け、脳波、呼吸の状態、血中の酸素の状態、心電図などを調べます。
図3.PSG検査
1) CPAP(シーパップ)療法
睡眠時にマスクを装着し、気道に空気を送り込むことで気道が塞がらないようにする治療法です。
図4.CPAP(シーパップ)療法
2) 生活習慣の改善
肥満が原因の場合、体重を減らすことが症状の改善につながります。また、アルコールやタバコは、筋肉を緩め気道をせまくすることから睡眠時無呼吸症候群の悪化につながるため注意が必要です。
また、寝る姿勢も重要です。仰向けに寝ると舌の根本が重力で喉の奥に落ち込み、気道が塞がりやすくなるため、横向きで寝ることが推奨されます。人によっては、うつ伏せも気道の閉塞を防ぐ効果が期待される場合があります。
3) マウスピース
マウスピースをつけることであごや舌の位置を適切に調整し、気道を確保します。中等度までの症状に効果的です。
4) 手術
重症の場合、気道を広げるための手術が行われることもあります。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、気づかないうちに健康に悪影響を与える可能性があるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関で相談することが大切です。