子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種
2.ワクチンの種類
子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんです。 子宮頸がんは、若い世代の女性のがんの中で多くを占めるがんです。患者さんは20歳代から増え始めて、 30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1,000人います。
子宮頸がんの原因は、長らく明らかになっていませんでしたが、1982年、ドイツのハラルド・ツァ・ハウゼン氏により、 子宮頸がんのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染で生じることが発見されました。
図1をご覧ください。日本はヒトパピローマウイルスワクチンの接種率が群を抜いて低い状況でした。
図1.先進国におけるHPVワクチンの接種率
子宮頸がんは妊娠・出産の時期にあたる若い世代に多いがんです。このため、ワクチンが接種できていない世代(1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性)で3回の接種が終わっていない女性に対して、キャッチアップ接種が推奨されています。キャッチアップ接種とは、今からでも遅くはないので、費用負担は発生せずに(無料で)接種ができますというキャンペーンのことを指します。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチンともいいます)のは、サーバリックス(2価)、ガーダシル(4価)、シルガード(9価)の3種類。9価ワクチンは9種類の型に対応するワクチンという意味です。
当院では、9価ワクチンのシルガードのみを採用しております。自費ですと、1回 28000円(税込、診察料込み)です。
図2をご覧ください。1回目の接種を15歳までに済ませると、合計2回の接種で免疫がつくとされています。一方、1回目の接種を15歳になってから接種する場合、合計3回のワクチン接種が必要となります。通常のスケジュールでは初回接種の6ヶ月後以降に3回目の接種となるため、キャッチアップ接種対象の方は1回目を2024年11月末までに接種することが望まれるというわけです。11月末では日程的に余裕がないため、なるべく早い初回接種が望まれます。
図2.HPVワクチンの接種スケジュール
以上から、HPVワクチン対象でキャッチアップ接種をご希望の方は、なるべく初回接種を2024年11月30日までにお受けください。需要がかなり多い状況で、数に限りがございます。事前にお電話で確認の上でご来院ください。
図3.HPVワクチンの接種のまとめ