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痛くない首のしこり~リンパ腫の可能性も~

 首の横、首の後ろ、首の付け根などにコロコリとしたしこりを触れるということは珍しいことではありません。例えば「かぜ」かもしれないと思って医療機関を受診をすると、診察の際に首にしこりがありますねと言われたことがある方もいらっしゃるだろうと思います。

 こうしたしこりとして触れるものは硬いものから、比較的柔らかいものまで、押すと痛いものから痛くないものまで様々です。形状も丸いもの、細長いものなどがあり、動くものやあまり動かないものがあります。幼児を含めて子供から大人まで、さまざまな年齢層で見られます。この触れるものは、脂肪の塊、いわゆる脂肪腫というものであったり、リンパ節であったり、唾液腺であったり、また粉瘤と呼ばれる垢の塊であったりします。最も頻度の多いリンパ節について、まず見てきましょう。

 

 首のまわりにはリンパ節がたくさんあります。まずは全身のリンパ節の場所・位置をご紹介します。

 

 首のまわりだけでなく、耳の後ろ、鎖骨付近、脇の下、足の付け根(鼠径部)など、様々なところにリンパ節は分布しています。通常はリンパ節は小さく、触っても触れないのですが、大きくなると触れることがあります。感染症の場合はリンパ節近くの部位の炎症に反応して、リンパ節が大きくなることがあり、押すと痛いと感じることがあります。免疫力が落ちている場合には、通常ではかからないような感染症で腫れることもあります。ストレスがあってだるいと感じていたら、実はのどの炎症と首のリンパ節の腫れがあるためだったということもありますので、ご心配な場合には医療機関でご相談ください。

 

 頻度はかなり低くなりますが、感染症の他にもこわい病気が隠れていることがあります。がんや悪性リンパ腫、白血病といった病気です。

 がんの場合は、例えば胃がんがもともとあって、左鎖骨付近のリンパ節に転移したという場合に、リンパ節を触れることがあります。胃がんがあることに気づかず、初期症状がコリコリしたリンパ節を触れる、ということもあるわけです。

 悪性リンパ腫は、血液中の白血球の1つであるリンパ球ががん化したものです。悪性リンパ腫の初期症状は、首や脇の下、足の付け根などで痛くないリンパ節を触れるということが典型的なものの一つです。悪性リンパ腫の原因には、EBウイルス(Epstein-Barr Virus)やピロリ菌、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1ウィルス)などの感染症や関節リウマチなどの自己免疫疾患が挙げられます。リンパ節が腫大していくことが多いのですが、40%はリンパ節以外の部位、中枢神経や肺、肝臓、小腸などの消化管に病変が及びます。例えば、悪性脳リンパ腫は中枢神経に病変が及んだ結果として起こる疾患です。

 白血病は骨髄の中で白血球が作られる過程でがん化する病気で、急性と慢性とがあります。急性白血病は急激に症状が現れて悪化し、急死することもある病気です。急性白血病はさらに急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病に大別され、前者の急性骨髄性白血病はリンパ球以外の白血球や赤血球、血小板のもとになる細胞ががん化した結果起こる病気であるのに対し、後者の急性リンパ性白血病は、リンパ球のもとになる細胞ががん化した結果起こる病気です。白血病細胞がリンパ節で作られると、リンパ節の腫れとして症状が出ることがあります。その他に白血病の初期症状として、発熱や息切れ、あざができるなどが挙げられます。

 

 この他にも脂肪腫や粉瘤といった良性のものも首のしこりとして触れます。粉瘤については痛みや熱感、臭いを伴う際には感染をきたしていることがあります。この場合にはすぐに治療が必要となりますので、ご注意ください。

 

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