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千葉県でのインフルエンザとコロナ感染報告の比較(2023年)

[2023.10.06]

5類移行後はさまざまな感染症が増加

 令和5年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症が2類感染症から5類感染症に移行し、検査費用や出社・登校にかかわる自宅待機期間、濃厚接触者の対応など、多くのルールが変更されました。これに伴い、コロナ感染者数が増加するだけでなく、なぜかヘルパンギーナや咽頭結膜熱(読み方:いんとうけつまくねつ)が流行するようになりました。咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症でプール熱とも呼ばれ、通常は子供がかかる病気ですが大人もかかることがあり、熱が37度から40度と上がったり下がったりしながら眼の充血やリンパ節の腫れを伴う症状が特徴です。


 コロナ禍下の日本では行動制限を含めた厳重な感染対策が行われたことにより、コロナ以外の感染症は沈静化されていました。感染対策をコロナ禍前に戻す方向に舵をとったことにより、抑えられていたコロナ以外の感染症の流行に関与したのかもしれません。

 

インフルエンザが9月に入り流行

 インフルエンザも過去数年、感染者の報告数がかなり減少していました。下図の上段のグラフはインフルエンザの発生状況を示していますが、コロナ禍前の2019年(ピンク色)と比べ、2020-2022年はインフルエンザの報告数がかなり抑えられていたことがおわかりになるかと思います。一方、2023年(紺色の太線)は8月から増加に転じており、9月に入ってからはインフルエンザが急激に蔓延していることが見てとれます。冬場の流行と同程度の報告数となっており、今年は季節外れの時期にインフルエンザが流行っていることがわかります。

 

コロナは9月に入って減少

 興味深いことに、コロナ感染の報告数は9月に入って減少しています。9月20日からはXBB.1.5株に対する新しいコロナワクチン接種が開始されましたが、それよりも早い時期から減少が始まっています。コロナ感染が落ち着いてきたのは令和5年秋開始接種の影響ではなさそうです。コロナ感染後には一定の割合で症状が長引く、あるいは後遺症が見られることがあります。咳や痰、のどの痛み(咽頭痛)や違和感(咽頭違和感)、だるさ(倦怠感)、集中力の欠如などが長く続く、long COVIDと称される状態を伴うことがありますので、XBB.1.5株対応のコロナワクチン接種で、コロナ蔓延が抑えられることは重要と考えられます。

 

 

 2023年9月から10月にかわり、医療現場の肌感覚ではコロナよりもインフルエンザが逆転して増えてきているという印象があります。お子さんがインフルエンザにかかり、その後両親が家庭内で感染するということも増えてきていますので、十分に感染にはご注意ください。

 

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