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尿蛋白陽性と言われたら―蛋白尿の基準値や原因とは―

  1.蛋白尿とは

  2.蛋白尿の基準値

  3.蛋白尿に伴う症状

  4.蛋白尿が出る原因

  5.おりものや生理は尿検査に影響を及ぼすのか

  6.精液は尿検査に影響を及ぼすのか

  7.妊婦さんの尿検査で気をつけること

 

1.蛋白尿とは

 子供の頃の健康診断で、尿検査をした記憶がある方は多いと思います。尿検査では、尿蛋白が陽性かどうかをみて、腎臓病があるかどうかを確認します。蛋白尿とは、腎臓や膀胱など泌尿器系の臓器にダメージがあり、尿中に異常な量のタンパク質が検出されることを指します。ちなみに、蛋白尿と尿蛋白という言い方があります。その違いは、蛋白の出ている尿は蛋白尿、尿中に含まれる蛋白が尿蛋白になります。つまり、たとえば2+や±(プラスマイナス)といった蛋白の程度を表現する場合には、尿蛋白が2+、±などというわけです。

 

2.蛋白尿の基準値

 慢性腎臓病(CKD)診療ガイド2012によりますと、蛋白尿の基準値は、0.15g/gCre未満を正常、0.15g/gCre以上0.5g/gCre未満を軽度、0.5g/gCre以上を高度とされています(基準値は、かつては正常値と呼ばれていたものです)。この数値は定量というもので、1+や2+などのざっくりとした定性とは異なり、より詳細に蛋白尿の程度を数値化したものになります。なお、蛋白尿(またはアルブミン尿)の程度と血液検査で見る腎機能の両方によって、慢性腎臓病のステージは分類されます。

 

3.蛋白尿に伴う症状

 尿が泡立つ、尿に泡が見える、尿の泡が消えないなどの症状が見られる方もいらっしゃるかと思います。尿の粘稠度が高くなったり、尿蛋白が多いとこうした症状が見られることがあります。その他、蛋白尿がきわめて多量に出るネフローゼ症候群になると、足のむくみ(浮腫)や胸水、腹水などが見られることがあります。

 

4.蛋白尿が出る原因

 風邪をひいた後、ストレスや運動後、疲労、睡眠不足、水分不足などでも蛋白尿が見られることがあります。ただ、蛋白尿が出る原因で注意すべき病気としては、急性糸球体腎炎や慢性糸球体腎炎といったものが重要です。急性糸球体腎炎は、小児では溶連菌感染の後に見られることも多いですが、足のむくみや尿量が減るなどの症状が見られます。一方、慢性糸球体腎炎は、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎などに分類されますが、尿蛋白や尿潜血が持続陽性となる病気です。慢性糸球体腎炎の病態生理(メカニズム)としては、腎臓の中の糸球体という尿を作る部位で、免疫異常などによる炎症が長く続く結果、徐々に腎機能は低下するというものです。悪化速度がはやければ、将来的には透析にもなるような疾患です。こうした病的な原因がないかどうかを見極める必要があります。毎年健診や人間ドックで蛋白尿を指摘される場合には医療機関でご相談ください。また、尿蛋白が3+や4+で初めて指摘された場合には、先述のネフローゼ症候群である可能性がありますので、急いで医療機関をご受診ください。


 一方、起立性蛋白尿と呼ばれる10代などの若年者によく見られる蛋白尿があります。これは立ったり、腰を曲げたりするときにだけでる蛋白尿であり、早朝尿でも尿蛋白が陽性となるかどうかをみることで診断します。

 

5.おりものや生理は尿検査に影響を及ぼすのか

 女性の場合は、膣の分泌物などのおりものが出やすい方では、尿検査でおりものの成分が検出されることがあります。こうした影響を少しでも防ぐため、中間尿で提出しましょう。中間尿の採取方法は、初尿は捨て、排尿の途中の尿を尿カップに入れるという取り方です。
 また、尿検査は生理の影響も受けることが多いです。尿の中に微量の血液が混じっても、尿検査では血尿などが検出されます。生理中や生理前、生理後3日間は避ける方が無難です。学校(中学校・高校・大学等)の健康診断で、生理中やその前後にあたった場合には学校にご相談ください。

 

6.精液は尿検査に影響を及ぼすのか

 精液は液体成分である精漿(読み方:せいしょう)と細胞成分である精子で構成されています。尿検査を提出した時に精液が混じっていると、精漿に含まれるタンパク質やタンパク分解酵素の影響が出てしまう可能性があります。尿検査を正確に評価したい場合には前日の性行為を控えておく方が無難です。

 

7.妊婦さんの尿検査で気をつけること
 妊娠中は、胎児への血液とお母さんへの血液とがあるため、体の血液量が増えます。腎臓は血液を濾過して尿を作り出しますが、血液量が増えて過剰濾過となるだけでも蛋白尿は出やすくなります。
 妊娠に伴う疾患の中でも、妊娠高血圧症候群は高血圧と蛋白尿が特徴とする病気です。妊娠高血圧症候群は母体・胎児に重大な影響を及ぼし得ますので、早期発見が重要です。

 

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