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血尿~ストレスや疲れだけが原因ではありません~

 血尿とは尿に血が混じることを言います。血尿の色は鮮血から褐色のようなものまで様々ですが、こうした目で見てわかるものから、見た目は問題ないけれども尿検査をして初めて気づく血尿というのもあります。 

 

 

 図をご覧ください。尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に溜められ、尿道を通って尿として排泄されます。腎臓や尿管、膀胱、尿道のどの部分から血が出ても血尿として症状が出現します。
 女性の場合、頻度として多いのは膀胱炎です。排尿の際に痛みを感じるのはが典型的な症状の一つですが、鮮血が見られるのに痛みなしということもあります。その他にも膀胱炎の症状がございますので、こちらをご覧ください。さて、膀胱炎以外も含めて、表に主な血尿の原因をお示しします。

 

 

 膀胱炎が悪化し、腎臓にまで炎症が及ぶと発熱を伴う腎盂腎炎になります。コロナ禍においては、発熱があるといろいろな検査をする前にまず新型コロナウイルス感染症かどうかを検査する場合が多いです。新型コロナウイルス陰性と確認されてからようやく一般的な診療を受けられるということが少なくありませんので、重篤な腎盂腎炎の前の膀胱炎の段階で正しく診断してもらうほうが無難です。尿路結石における尿路とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道のことを言います。結石の存在部位によって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼称が分かれます。血尿の他にも、腰痛やわき腹や下腹部などの腹痛が見られます。腫瘍については良性腫瘍・悪性腫瘍があります。腎細胞癌、転移性腎癌、尿管癌、膀胱癌などの初期症状として血尿が見られることがあります。

 

 

 腎臓の炎症によるものとして、IgA腎症や感染後糸球体腎炎は、目で見てわかる血尿を伴うことが典型的な症状の一つです。その他、尿検査のみでわかる血尿がみられる疾患として、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎、一部の膜性腎症、進行した糖尿病性腎症など、糸球体という尿を作る場所に変化を生じる糸球体疾患が挙げられます。これらの疾患かどうかを診断するには、まず蛋白尿が見られるのかどうか、蛋白尿があるならばどの程度なのかを確認します。蛋白尿に関しては、「尿蛋白陽性と言われたら―蛋白尿の基準値や原因とは―」に詳しくまとめていますので、そちらをご覧ください。これらを正確に診断するには、腎生検という入院での検査が必要になります。尿検査でのみわかる血尿、いわゆる尿潜血で陽性となった方全員が腎生検をしなければならないわけではなく、まずは尿検査で蛋白尿などの血尿以外の所見や血液検査、症状の経過を確認することが重要です。

 

 

 腎嚢胞からの出血は、主に多発性嚢胞腎と診断された方に見られます。多発性嚢胞腎は遺伝する腎臓病の中でも最も頻度の多い疾患で、常染色体優性多発性嚢胞腎と常染色体劣性多発性嚢胞腎に分類されます。多発性嚢胞腎の腎嚢胞に伴う症状としては、こちらもご参考になさってください。最後に、原因不明の血尿とされる中には、体質によるものがあります。尿を作る場所である糸球体の中をさらに電子顕微鏡で詳しくみていくと、糸球体基底膜という尿を作り出すフィルター部分が見えてきます。この糸球体基底膜が体質的に薄い場合に、基底膜菲薄化病という診断になり、ときどき血尿が見られるようになります。また、左腎静脈が腹部大動脈と上腸管膜動脈にはさまれることで左の腎臓がうっ血するナットクラッカー症候群も血尿の原因になります。基底膜菲薄化病や痩せ型の方に多いナットクラッカー症候群は体質によるとされるものの中に含まれます。

 

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