メニュー

狭心症

狭心症と心筋梗塞
 狭心症は、心臓を栄養する血管(冠動脈)が狭くなり、十分に心臓に血液が流れなくなる病気です。心臓の筋肉に流れる血液が足りなくなることで、胸が痛みや圧迫感などの胸の症状が起きます。狭心症が悪化し、心臓への血液が完全に流れなくなると、心臓の筋肉が壊れてしまう心筋梗塞へと進展してしまいます。心筋梗塞は生存率が低い病気であり、助かったとしても心機能が悪いままになるなど後遺症が残ることがあります。

 

狭心症の症状
 狭心症の症状には、下記のようなものがあります。

 ・胸が痛い

 ・胸が苦しい

 ・胸の圧迫感がある

 ・胸が締め付けられる

 

 多くの場合、狭心症では胸の真ん中や左側に痛みや圧迫感を感じます。時には胸の右側や背中、歯、左肩、首に痛みを感じたり、動悸や息苦しさを感じたりすることもあります。ただし、糖尿病をお持ちの方や高齢者では、痛みを感じないこともあるので注意が必要です。

 狭心症症状は、走ったり自転車をこいだりするなど、運動しているときに見られることが典型的です。一方、起床時や安静にしているときなどに狭心症症状が見られるタイプの狭心症もあります。続いて、狭心症の分類をみていきましょう。


狭心症の分類

① 労作性狭心症

 安静にしているときには症状が出現しないものの、階段をのぼったり急ぎ足で歩いたりするなど、運動時に症状が出現するタイプの狭心症です。主な原因として、心臓を栄養する血管である冠動脈が動脈硬化などで狭くなっていることが挙げられます。この労作性狭心症は狭心症の中では頻度が多く、狭心症としてイメージされるのはこの狭心症でしょう。


② 異型狭心症

 労作性狭心症とは異なり、朝起きた時など安静時に起こる狭心症です。冠動脈の血管が痙攣することにより起こるため、冠攣縮性狭心症とも呼ばれます。冠動脈が正常またはほとんど狭くなっていないため、ストレスや喫煙、寒い場所にいること、食後、夜間や早朝などの状況下で冠動脈の痙攣(攣縮)が起こりやすくなります。ストレスや喫煙などが原因として疑われる場合、誘因を避けることが望まれます。

 

③ 不安定狭心症

 症状の頻度が増えたり、より軽い運動や安静時であっても症状が起こるようになったり、持続時間が長くなったりと、症状が悪化傾向である狭心症です。心臓の血行が悪化傾向である可能性があり、より重症な心筋梗塞に進む可能性があるため、とても危険な状態です。入院治療となり、即座に検査や治療が行われます。

 

狭心症の危険因子
 健康診断(健診)や人間ドックでは、生活習慣病についての評価が含まれます。高血圧、糖尿病、脂質の異常(コレステロール)といった生活習慣病のほかに、生活習慣では喫煙が狭心症や心筋梗塞の重要な危険因子として知られています。この他、高尿酸血症、肥満、血縁者に狭心症や心筋梗塞の方がいること、高齢、運動不足なども危険因子に含まれます。これら狭心症や心筋梗塞にかかわる危険因子を冠危険因子といいます。


狭心症の診断

 狭心症が疑われる場合、まずは12誘導心電図を行われます。症状が落ち着いているときには、心電図に異常が見られないことが多いため、何度か心電図を行い、心電図変化が見られた場合、診断に至ることがあります。また、危険因子や症状の経過から狭心症が疑わしい場合には、血液検査、心エコー(心臓超音波検査)、負荷心電図、24時間心電図(ホルター心電図)、心筋シンチグラフィー、冠動脈CT、冠動脈造影などの検査を適宜組み合わせて行います。


狭心症の治療
 狭心症の治療には、生活習慣の改善に加えて、抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)、心臓の血管を拡張する薬、カルシウム拮抗薬などが使用されます。冠動脈がかなり狭くなっている場合には、ステントによるカテーテル治療や心臓の血管をつなぐ手術(バイパス手術)が行われます。
 特に不安定狭心症の場合、今にも血管が詰まりそうになっている場合があります。血管が完全に詰まってしまい心筋梗塞に至ると、生命の危険が生じます。不安定狭心症が疑われる状態では、即座に入院し、安静にして治療が開始されます。同時に冠動脈の状態を、各種検査での正確な把握が行われます。

 

「循環器内科」に戻る

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME